令和8年度4月18日(土)渋谷区で開催した、技術士副業講座の受講生の体験記をご紹介します。
この方は令和6年度技術士総合技術監理部門に合格して、技術士副業講座をご受講いただきました。
横浜すばる技術士事務所が開催する講座であるため、意を決して福岡県からご受講いただきました。
そして副業という可能性に気づかれました。
それでは受講体験をご紹介していきます。
技術士副業講座|受講者プロフィール
名前:T.M
居住地:岡山県
職業:建設コンサルタント勤務
年齢:55歳
保有資格:技術士(建設部門、総合技術監理部門)
技術士副業講座を受講して:はじめに
私は大学および大学院で土木工学科を修了し、建設コンサルタント会社や建設会社、調査会社等に勤務し、これまで20数年にわたり地域インフラの設計や維持管理業務に携わってきました。
55歳となった現在、岡山で建設コンサルタント会社に勤務しています。
実務を重ねる中で、数年前に技術士の建設部門を取得し、さらに2年前には総合技術監理部門(以下、総監)にも合格することができました。
社内では相応の責任ある立場を任され、技術者としては一定の達成感を得て日々の業務に励んでいます。
しかし、50代半ばを過ぎ、65歳の定年退職という節目が現実として視野に入ってきたとき、これからの働き方について漠然と不安になり、真剣に考えざるを得なくなりました。
建設コンサルタント業界において、定年後の選択肢は決して多くありません。
一般的には、現在の会社にシニア社員として再雇用され、現役時代よりも大幅に下がった給与で同じような実務サポートを続けるか、あるいは関連会社に形を変えて出向するか、といった道が大半です。
もちろん、それ自体が悪いわけではありませんし、安定という意味では手堅い選択肢です。
しかし、会社という組織の枠組みや、これまで築かれてきた「会社の看板」に頼ることなく、一人の独立した技術士として、自分の培ってきた経験を直接社会に役立てる道はないのだろうか、という思いが消えませんでした。
今のうちに組織に依存しない「個人としての足腰」を鍛え、定年を迎えた段階でスムーズに自立した働き方に移行できるよう準備しておきたい。そう考えていたタイミングで目にしたのが、本講座の案内でした。
技術士副業講座の受講を決断するまでの率直な迷いと、その背景
しかし、講座の存在を知ってから、実際に東京都内の会場に足を運ぶ決断を下すまでには、自分の中でいくつかの葛藤や躊躇がありました。
キャッチコピーに対する不信感と受講料のハードル
最初に講座の案内メールやウェブサイトを見たとき、そこに書かれていた「経済的自由」や「だれでも百万円程度は副業で稼げます」といったフレーズに対し、私は正直なところ警戒心を抱きました。
「先生もこんな商売をするようになったか…」と半ば呆れたのが当初の感想です。
普段、公的な基準や客観的なデータに基づいて地道に仕事をしている技術者という人種から見ると、こうした利益を強調する言葉は、世間によくある誇大広告のビジネスセミナーと同じように映ってしまったからです。
また、22万円という受講料も決して安価なものではありません。
岡山から東京までの往復の交通費や前後の宿泊費も含めると、個人の持ち出しとしてはかなりの金額になります。
もし期待外れの内容であれば、時間もお金も無駄にしてしまうという不安が、最初は先行していました。
横浜すばる先生への信頼が決め手となった
それでも受講を決めたのは、総監の試験対策の際にお世話になった横浜すばる先生に対する強い信頼感があったからです。
先生の解説は常に、表面的な受験テクニックではなく「技術士法に基づいた技術者の資質」を本質的に問いかけるものでした。
その先生が直接主催する講座であれば、単なる小遣い稼ぎのノウハウではなく、技術士という資格の価値を正当に社会へ提供するための「まっとうな仕組み」が学べるはずだと考え直しました。
また、何十人も集める大人数のセミナーではなく、受講生が確実に内容を理解して持ち帰れるように配慮された「少人数制の対面講座」という形式をとっている点にも、主催者側の誠実さを感じました。
65歳の定年を迎えてから慌てるのではなく、まだ体力も気力も十分にある55歳の今だからこそ、将来への先行投資としてこの知識を身につけるべきだと判断し、申し込みを行いました。
技術士副業講座の受講環境と、集まったメンバーの雰囲気
令和8年4月、時間の都合で夜行列車(サンライズ瀬戸号)での長距離移動ではありましたが、私は東京都内の会場で行われた対面講座に参加しました。
当日の受講生は私を含めて6名でした。
私以外の参加者も、ほとんどが過去に横浜先生の講座を通じて技術士を取得された方々でした。
各自の専門とする部門や年齢は様々でしたが、皆一様に「技術者としての実務経験は豊富だが、個人でビジネスをしたり税金を納めたりすることに関しては全くの素人である」という状態でした。
そのため、気取った雰囲気は一切なく、全員が「基本から丁寧に学びたい」という真剣な姿勢で机を並べていたのが印象的でした。
講師は横浜すばる先生を含めて3名体制で、現役の技術士として活動されている講師の方、そして税務の専門家の方がそれぞれの専門領域を担当されていました。
午前中は会社員技術士が副業に取り組むことの意味やメリットについて、午後は確定申告をはじめとする税金面の具体的な仕組みについてという、非常に整理された二部構成で進行しました。
技術士副業講座の講義を通じて明確になった3つの核心的知見
講師の方々の説明を、順を追って聴くうちに、これまで私の頭の中で「複雑で面倒そうだな」と敬遠していた副業の仕組みや税務の手続きが、驚くほどきれいに整理されていきました。
特に納得がいったのは、以下の3点です。
税務署の視点から見た「技術士」という資格の信用度
副業を趣味の延長ではなく、公的な優遇措置を受けられる「事業(事業所得)」として成立させるためには、税務署に対してその活動が「独立性や継続性を持った本物のビジネスである」と認められる必要があります。
一般の人が新しく開業届を出す場合、最初のうちは売上実績が少ないと、税務署から「これは単なる内職や趣味(雑所得)ではないか」と厳しく判断されることがあるそうです。
しかし、技術士の資格を保有している場合、その社会的信用が最初から大きな武器になります。
自らの高い専門性を背景として「技術コンサルティング」や「調査・設計の指導」を行うという大義名分があるため、税務署側としても「事業としての独立性」を非常に納得しやすいという話を聴き、深く感銘を受けました。
資格というものは、社内の昇進や転職のためだけでなく、個人として国(税務署)と対峙する際にも強力な身分証明書になるのだということを初めて知りました。
会社に知られずに活動するための住民税の仕組み
現在、会社員として働いている立場からすると、副業を行う上で最も気になるのが「勤務先に知られてしまうのではないか」という点です。
私の勤める建設コンサルタント会社でも、社内規定上は申請すれば認められる余地があるものの、実際に社内で堂々と副業を行っている前例は私の知る限り一人もいません。
地方の業界特有の狭さもあり、できれば自分から周囲に触れ回ることなく、静かに活動を始めたいというのが本音でした。
この問題について他の受講者が講師の方に質問したところ、確定申告を行う際の「特別控除」や「住民税の決定通知」が会社に届く具体的なルートについて、大変わかりやすい説明をいただきました。
「最終的な実務は自己責任になる」という前提はありつつも、適切な選択をして手続きをすれば、会社に発覚するリスクはほぼ回避できるという明確な答えをいただき、安心することができました。
正直なところ、高度な税金の話をその場で一回聴いただけで100%完璧に理解するのは難しかったのですが、講義の後に配布された書籍を読み返し、自分でも国税庁のウェブサイトなどで関連する仕組みを調べた結果、「私の条件であれば問題ない」という個人的な結論に達し、一番の懸念事項がすっきりと解消されました。
「事業主」としての義務と納税の重要性
講座の内容は、決して「甘い言葉で稼げる」と煽るようなものではなく、むしろ「事業主としての責任」を厳しく教え込まれるものでした。
特に印象に残っているのは、税務の講師の方がおっしゃった、「税務署は脱税には容赦しない。そして、脱税に時効は無い」という言葉です。
会社員として毎月給与から税金を天引きされているだけのうちは、納税について主体的な意識を持つことは滅多にありません。
しかし、一歩組織の外に出て自分の名前で収入を得る以上は、小さくとも一人の経営者であり、納税に関する正確な知識を身につけ、誠実に申告を行うことが絶対の義務となります。
この「プロとしての規律」をしっかりと最初に叩き込まれたことで、この講座を受講して本当に良かったという実感が湧きました。
技術士副業講座受講生として感じた、副業実践への実務的なアプローチ(考察)
今回の講座を通じて、また会場に集まった他の受講生たちの熱意に触れる中で、地方の建設コンサルタント社員である私が、定年後に向けた副業を成功させるために必要だと感じた「本質的なアプローチ」について、自分なりに考察してみました。
下請けの作業労働ではなく、「アドバイザリー」としての位置づけ
建設コンサルタントの技術者が副業を考える際、よくあるマッチングサイトなどに登録して、安価な図面作成の助っ人や、報告書の単純な校正作業といった「下請け的な労働」を請け負ってしまうケースが散見されます。
しかし、平日に本業で多くのエネルギーを使っている会社員が、貴重な週末の時間を削って時給換算の労働を重ねても、体力的に限界が来るのは目に見えています。
私たちが目指すべきは、技術士(特に総合技術監理部門)としての見識を活かした、マネジメントや業務プロセスの改善に対する「相談役(アドバイザー)」としての関わり方です。
地方の中小企業やスタートアップが抱える「技術者の育成方法に悩んでいる」「社内の品質管理体制を見直したい」といった複合的な課題に対して、これまでの実務経験に基づいた普遍的なアドバイスを提供する。
これであれば、現在の勤務先の具体的な業務(固有技術)と直接的な利益相反を起こすリスクを完全に排除しつつ、一人の技術士として高い価値を提供することができます。
会社員と個人事業主のバランス
会社を辞めて完全に独立するのとは異なり、会社員を続けながら副業を始める最大のメリットは、本業の安定した給与という「強力なセーフティネット」を持ったまま、リスクなく新しい挑戦ができるという点にあります。
また、個人事業主として開業届を出し、青色申告の環境を整えることは、税金面でも大きな意味を持ちます。
これまで会社員であればすべて持ち出し(手取りからの支払い)になっていた、最新の技術専門書の購入費、学会の参加費、移動のための交通費、さらにはPCや周辺機器の導入費用などが、事業を維持・拡大するための「正当な経費」として認められるようになります。
これにより、自らの技術力を磨くための自己投資のスピードを、会社員のときよりも格段に早めることができるのです。
今後の展望
今回の受講を通じて、私は「いきなり年間で何百万円も稼ぐ」というような、現実離れした高い目標を追う必要はないのだと気づかされました。
最初から完璧な形を目指そうとすると足がすくんで動けなくなってしまいますが、目標を自分の身の丈に合ったサイズまで細分化すれば、今の自分にも十分に進められるという手応えを得ることができたからです。
私は定年までの残りの期間を使い、以下のようなステップで地道に準備を進めていく計画を立てています。
【具体的アクションプラン】
[第1段階]事務的なインフラ整備(1ヶ月以内)
■最寄りの税務署へ開業届および青色申告承認申請書を提出する
■副業専用の銀行口座を開設し、クラウド会計ソフトを導入する
[第2段階]提供価値の整理と言語化(3ヶ月以内)
■本業の守秘義務に抵触しない「技術マネジメント・相談メニュー」を資料化する
[第3段階]スモールスタートの実践(半年以降)
■身近なネットワークや地域の相談窓口を通じて、年間数万円程度の小さな案件を自力で獲得する
まずは、個人事業主としての環境をしっかりと整えることから始めます。
開業届の提出や、日々の収支を管理するための会計ソフトの導入です。
こうした事務的な手続きを一つずつクリアしていくことで、自分自身の意識を「単なる会社員」から「一人の事業主」へと少しずつ切り替えていきます。
次に、自分の得意分野である建設部門の専門知識や、総監の5つの管理(人的資源管理、情報管理、安全管理など)の視点を、特定のプロジェクトに依存しない「一般的なアドバイザリーサービス」として言語化し、いつでも提示できる提案書の形にしておきます。
そして、まずは年間数万円程度という、非常に小さく確実な目標からスタートします。
自分で仕事を受け、自分で請求書を発行し、会社の給与以外の収入を自分の口座で受け取る。
この「自分の力だけで1円を生み出す原体験」を定年前にしっかりと積み重ねておくことこそが、65歳を迎えた段階で、慌てることなく本当に自立したセカンドキャリアを歩み出すための揺るぎない土台になると確信しています。
結論
定年を「終わりの始まり」にしないために今回の「技術士副業講座」への参加は、55歳というキャリアの転換期にいた私にとって、これからの人生の方向性を大きく変える非常に有益な機会となりました。
22万円という受講料や、岡山から東京までの遠征費用は、一般的な会社員の感覚からすれば決して小さな出費ではありません。
しかし、そこで得られた「正しい税務の知識」「技術士という資格を外の世界で活き活きと使うための視点」、そして「自分にもできそうだという具体的なロードマップ」は、これからの10年、20年を豊かに生きるための必要不可欠な原資になったと確信しています。
技術士という難関資格は、組織の中での地位向上や、単なる入札要件、毎月の手当をもらうためだけに眠らせておくには、あまりにももったいない財産です。
会社員としての現在の職務に責任を持って全力を尽くすことは大前提としつつも、もう一つの自立した足場として、個人の名前で社会に貢献できる仕組みを少しずつ作っていく。
この歩みを始めること自体が、これからの激動の時代を生き抜くシニア技術者としての本当の安心と、プロとしての誇りにつながるのだと思います。
頭の中で考えているだけの時間は終わり、これからは行動のフェーズだと考えています。
今回学んだ知識を羅針盤として、焦らず、しかし確実に、一歩ずつ自分の手で新しい未来をデザインしていきたいと思います。
まとめ
技術士副業講座受講生の感想をご紹介しました。
技術士副業講座について最初は懐疑的だったようですが、横浜すばる技術士事務所が主催する講座だという信用で参加されました。
得られた知見はお値段以上だとご本人から確認させていただきました。
技術士という資格はサラリーマンが副業する上で最適な資格です。
確実に稼げる資格なのです。
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