「技術士の副業を始めたら、思った以上に順調に稼げるようになってきた!」
「最初は小遣い稼ぎのつもりだったけれど、これだけ売上が増えると何か気をつけなきゃいけないリスクがあるのだろうか?」
技術士の専門性を活かした副業は、他の副業に比べて圧倒的に高単価です。
そのため、正しいアプローチを継続していれば、副業年収が100万円、300万円、そして本業の給料に迫る800万円へと、想像以上のスピードで駆け上がっていくケースが珍しくありません。
しかし、ここで多くの技術士が陥る罠があります。
それは、「稼げる金額の規模(ステージ)が変わっているのに、初期と同じ感覚・仕組みのまま放置してしまうこと」です。
ステージが変われば、直面する「税金」「法律」「体力的限界」「会社との関係」といったリスクの毛色は全く異なるものになります。
これを無視していると、ある日突然、税務署からの指摘を受けたり、本業の会社と致命的なトラブルに発展したり、最悪の場合は心身を壊してすべてを失うことになりかねません。
今回は、副業年収「100万円」「300万円」「800万円」の3つのステージ別に、その段階で絶対にやってはいけない注意点とリスク管理の鉄則を徹底的に解説します。
技術士副業年収【100万円】ステージの注意点:初心者を脱した人が陥る「税務と信頼の落とし穴」
最初の壁を突破し、年間で100万円(月平均約8万円)ほど稼げるようになったステージです。スポットコンサルや論文添削、月数万円のライトな顧問契約などが軌道に乗ってきた段階と言えます。
このステージで絶対にやってはいけない注意点は、以下の2つです。
注意点①:確定申告を「まぁいっか」で無視・過少申告する
副業を始める際、「年間20万円以上の利益が出たら確定申告が必要」というルールを聞いたことがあるはずです。
年収100万円ともなれば、経費を差し引いても確実に20万円以上の所得(利益)が残ります。
「これくらいの金額なら税務署にもバレないだろう」と、無申告のまま放置したり、売上を少なく申告したりすることは絶対にやってはいけません。
特に現在の税務署は、個人の銀行口座やクラウドソーシング、マッチングプラットフォーム(ビザスクやココナラなど)のデータ照会を非常に厳しく行っています。
数年後に「お尋ね」の通知が届き、本来の税金に加えて重い「延滞税」や「無申告加算税」を容赦なく徴収されることになります。
対策: 100万円を超えたら、家計簿感覚を捨てて「freee」や「マネーフォワード」などの会計ソフトを導入し、きっちりと収支を管理して確定申告(できれば青色申告)の準備をしましょう。
注意点②:本業の「機密情報・社内データ」を無意識に流用する
案件が増えてくると、副業のクライアントから「具体的な設計事例やトラブル対策のデータを提示してほしい」と求められる場面が増えます。
このとき、「本業の会社で使っている過去の図面、技術報告書、プレゼン資料」などを、社名やロゴを消しただけで流用することは絶対にNGです。
これは立派な「機密保持契約(NDA)違反」であり、最悪の場合は不正競争防止法違反などで本業の会社から民事訴訟を起こされ、懲戒解雇になるリスクがあります。
対策: 副業で提供するのは、あくまであなたの「頭の中にある知識・経験」です。会社の所有物である「電子データや紙の資料」そのものを持ち出してはいけません。
技術士副業年収【300万円】ステージの注意点:本業との両立に歪みが出る「キャパシティの落とし穴」
副業年収が300万円(月平均25万円)に達すると、一般的なサラリーマンのボーナスや、ちょっとした2馬力分の収入に匹敵するインパクトになります。
複数の企業と定期的なオンライン顧問契約を結んだり、大型の補助金申請サポートなどをこなしている状態です。
このステージで絶対にやってはいけない注意点は、以下の2つです。
注意点①:時間を切り売りしすぎて「本業のパフォーマンス」を下げる
年収300万円を超えてくると、とにかく「時間が足りない」という猛烈な限界にぶち当たります。平日の夜も土日もすべて副業の作業やミーティングで埋まるようになり、睡眠時間が削られ始めます。
ここで絶対にやってはいけないのが、副業の疲れを本業に持ち込み、本業のパフォーマンスを下げることです。
日中の本業中に居眠りをする、集中力が切れて設計ミスを連発する、連絡が遅れるといった事態になれば、会社側から「あいつは何か怪しい(副業をしているのではないか)」と疑われる直接のきっかけになります。前述の通り、法律や判例は副業を容認していますが、「本業に支障が出ている場合」だけは、会社はあなたを正当に処分することができます。
対策: 単価の低い案件(時給換算で割に合わない労働)を徹底的に断り、高単価な案件に絞り込む「顧客の断捨離」を行ってください。
注意点②:本業の「競合他社(ライバル企業)」の案件を引き受ける
技術士として名前が売れてくると、本業のライバル企業や、競合関係にあるコンサルティング会社から魅力的な条件でアプローチされることがあります。
しかし、本業と明確な利益相反(競合)になる企業の案件を引き受けることは絶対にやってはいけません。
これは労働契約法上の「競業避止義務」に真っ向から違反します。会社に壊滅的な打撃を与える可能性があるため、もし発覚した場合、言い訳無用の懲戒処分や損害賠償請求に発展する最も危険な行為です。
対策: 副業のクライアントを選ぶ際は、「本業のターゲット顧客とは異なる業界の中小企業」や「本業の技術を応用できるが、市場が全く被らない分野」に徹底的に限定してください。
副業年収【800万円】ステージの注意点:独立か維持かの岐路に立つ「税金とガバナンスの落とし穴」
副業年収が800万円を超えると、もはや副業の域を完全に超えています。本業の給料と合わせれば総年収は1,500万円〜2,000万円クラスになり、日本のトップ数パーセントの富裕層の仲間入りです。
このステージで絶対にやってはいけない注意点は、以下の2つです。
注意点①:個人事業主のまま放置して「税金の暴風雨」に打たれる
日本の所得税は「累進課税」です。本業の給与所得と副業の個人事業所得(あるいは雑所得)が合算されるため、総所得が高くなればなるほど、税率が跳ね上がります。総年収が1,800万円を超えると、所得税・住民税を合わせた税率は最高で50%近くに達します。
つまり、せっかく副業で800万円を稼いでも、個人事業主のままだと、その半分近くが税金として国に持っていかれてしまうのです。これでは何のために命を削って働いているのか分かりません。
対策: 副業年収が800万円を超えたら、個人事業主のまま続けるのは絶対にやめましょう。「法人化(マイクロ法人の設立)」を強く検討すべきタイミングです。自分や家族を役員にして給与を分散させたり、旅費や家賃を法人の経費にすることで、合法的に莫大な節税が可能になります。
注意点②:会社員としての「引き際」を間違えて自滅する
副業でこれだけ稼げるようになると、「もう会社なんて辞めて、独立してフリーランス(技術士事務所)として生きていこう!」という万能感に包まれます。
しかし、十分な準備や「引退後のガバナンス」を考慮せずに、勢いだけで会社を辞めて独立することはおすすめしません。
サラリーマン技術士の最大の強みは、「本業の看板や人脈、最新の組織的プロジェクトに触れていること」そのものです。会社を辞めて完全に独立した途端、業界の最先端の情報から隔離され、数年で技術士としての賞味期限が切れてしまうフリーランスを私は何人も見てきました。また、社会的信用(ローンの審査など)もサラリーマンの肩書があるからこそ維持できている側面があります。
対策: 独立するなら、「会社の看板がなくても、あと10年は最先端で戦える独自のプラットフォームや仕組み」が完成しているか、シビアに見極めてください。あえて「有能なサラリーマン」の籍を残したまま、法人を回す二刀流(パラレルキャリア)を続ける方が、現代では最もリスクが低く賢い選択肢であることも多いのです。
技術士副業講座
技術士になるためには合格率30%の一次試験に合格し、合格率10%の二次試験に合格する必要があります。
合格率はわずか3%になります。
技術士でも総合技術監理部門は技術士を取得していないと受験できません。
総合技術監理部門の合格率は10%です。
総合技術監理部門の技術士は一次試験から換算すると合格率はわずか0.3%になります。
そんな超難関資格の技術士試験でも合格後に副業でお金を稼いでいる人はわずかです。
横浜すばる技術士事務所が把握している範囲では、技術士が副業で稼いでいる人は500人に1人程度です。
しかもその大半が年間数万円程度です。
横浜すばる技術士事務所の代表は、数年前までサラリーマンで年間数百万円稼ぎました。
しかも週1日2~3時間程度の副業です。
サラリーマンの給料以外で年間数百万円稼げれば生活は非常に楽です。
住宅や自動車ローンの返済、子供の学費、増税などでもお金の心配をする必要がありません。
もちろん趣味や娯楽、旅行や買い物も値札を見ずにお金を払えるようになります。
人生100年時代、働き方改革、年金受給65歳、コロナ禍、消費増税、歴史的な円安、ウクライナとロシアの戦争など、今後は先が不透明な状況に突入する時代になってきました。
また岸田首相は中国の軍事攻撃に対応するために防衛費増額を掲げています。
この財源に関しては増税により賄うような発言もしています。
日本は20年以上デフレ(給料が上がらない状態)経済が続いています。
あなたは、お先真っ暗な状態ではないでしょうか?
副業をしなければ、今後のあなたの生活は益々厳しいものになると考えられます。
一生懸命勉強して技術士の名称を得たのですから、技術士で副業して経済的自由を手に入れましょう。
まとめ:ステージに応じた「ブレーキとアクセル」を使いこなそう
技術士の副業ロードマップにおけるリスクの変化をまとめると、以下のようになります。
| 副業年収ステージ | 主な活動内容 | 絶対にやってはいけないこと | 必要な対策 |
| 100万円 | スポットコンサル、添削 | 無申告、本業データの流用 | 会計ソフトの導入、データ管理 |
| 300万円 | 定期顧問、大型案件 | 本業の疎か、競合他社との契約 | 案件の選別(高単価化)、競合回避 |
| 800万円 | 複数顧問、独自サービス | 個人事業の継続(高納税)、勢いでの独立 | マイクロ法人の設立、キャリアの再定義 |
年収が増えることは素晴らしい成果ですが、それに伴って「守るべきルール」の難易度も上がっていきます。
あなたが手に入れた「技術士」という最強の武器を、一時の油断や知識不足で台無しにしてしまっては元も子もありません。現在の自分の立ち位置(ステージ)を冷静に見つめ直し、常に適切なリスク管理(ブレーキ)を行いながら、さらなる高み(アクセル)を目指していきましょう!
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